航空性中耳炎とは
航空性中耳炎とは、飛行機が上昇や下降するときに起こる気圧変化が原因で発症する急性中耳炎のひとつです。中耳（鼓膜の内側）には空気が入っており、耳管と呼ばれる管で咽頭部とつながっています。通常時、この耳管は閉じた状態になっていますが、開閉し空気が通ることによって外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。
一方で、飛行機が着陸するとき、急激な気圧の変化によって耳管が閉じたままになってしまうことがあります。それにより、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じ航空性中耳炎を発症することがあります。
これと同じ現象がスキューバーダイビングでも起こります。空と海、一見関係ないようにも思いますが、気圧や水圧の変化によって耳管や副鼻腔が影響を受けるという点で共通しています。
航空性中耳炎の症状
- 耳がつまった感じがする（耳閉感）
- 耳が聞こえにくように感じる（難聴）
など、基本的には一般の急性中耳炎や滲出性中耳炎と同様の症状がみられます。
これらは、急激な気圧の変化によって、鼓膜が内側にへこんだままになったり、中耳（鼓膜の奥）に液がたまっていたりしてしまうことで起こる症状です。
さらに重度の場合は、耳鳴りやめまいの症状を起こすこともあります。
- 感冒（風邪）
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
など、その時に体調を崩されていたり、日頃から花粉症に悩まされているといった場合、航空性中耳炎になりやすいと考えられます。また、体質的な問題で耳管機能障害を引き起こしやすい方も少なくありません。乗るたびに繰り返し耳のトラブルが起こる方は、注意が必要です。
非常に稀なケースではありますが、上咽頭（鼻の奥の部分）の腫瘍ができていて耳管を塞いでしまっている場合もあります。
航空性中耳炎の検査診断と治療
仙台で耳CT検査は当院へ – 即日予約なしでもOK
当院では、ご相談いただいた当日でも、必要に合わせて聴力検査や中耳検査が可能です。問診と画像診断によって、中耳炎の治療方針を決めて行きます。
航空性中耳炎の治療は、通常の中耳炎に対する治療と一時的な耳管狭窄に対する治療とを検討します。すでに風邪や鼻炎の症状がある方は、その治療も必要です。
薬による対症療法で症状が改善しない方や、即効性の効果を求める場合には、鼓膜穿刺や鼓膜切開を行う場合があります。
当院は仙台空港～仙台駅までのアクセスも良いため、県外の旅行者も多く来院します。航空性中耳炎の治療方針のガイドラインはなく、鼓膜穿刺や切開に対する統一治療方針はありません。鼓膜切開や鼓膜穿刺では処置後の鼓膜穿孔残存のリスクもあり、治療後のアフターケアの問題もあるため、県外から仙台に飛行機でいらした際の航空性中耳炎の治療は相談の上、決定させていただきます。
航空性中耳炎の経過と予防
仙台で飛行機による耳の痛み・詰まりは当院へ
耳の痛みは数日以内に治ることが多いですが、耳閉感や難聴は改善するまでに週単位で時間がかかるケースもあります。
航空性中耳炎の予防法としては、着陸態勢に入ったら（機体が高度を下げ始めたら）、嚥下（唾を飲む）やあくびをするなど耳管開閉作業を行うことで軽減できる可能性があります。
「アメをなめる」という方法は、当院ではお勧めしません。着陸トラブル（機体のゆれ）で誤嚥による気道閉塞（窒息）を起こす可能性がゼロではないからです。
耳の詰まりを感じた時は口を閉じ、鼻をつまんで鼻に軽い圧力をかけ、息または唾を飲む「耳ぬき」をすればかなりの部分は防げますが、逆に圧力のかけ過ぎは危険です。「外リンパ漏」を起こすこともあるからです。試して、改善しない（うまくできない）時は無理に繰り返し試すのはやめましょう。強い耳抜きをして、めまいや耳鳴りなどを生じた際には「外リンパ漏」の可能性もありますので、速やかな耳鼻咽喉科受診をお勧めします。
搭乗時・下降時に点鼻薬を使用すると、航空性中耳炎の発症リスクを軽減できることがあります。
いろいろな対処法を試したものの無効で、何度も航空性中耳炎をおこしたことがある場合には、鼓膜に穿孔作成処置も行うことがあります。
旅程機関に合わせて鼓膜の処置を（2泊３日程度であれば鼓膜穿刺、４泊以上であれば鼓膜切開など）検討します。
航空性中耳炎が心配な方、飛行機に乗る度に、辛く不快な思いをしている方は、一度当院へご相談ください。
仙台空港から当院までのアクセス
当院の場所
〒983-0864
宮城県仙台市宮城野区名掛丁２０１−２
S.FRONT ３階
仙台駅の北側、アパホテル〈TKP仙台駅北〉の隣のビル３階に「仙台駅北口耳鼻咽喉科」があります。
電車を利用される方
仙台空港駅から仙台駅までは、仙台空港アクセス線に乗車して、直通で30分弱で移動できます。
お車を利用される方
名取ICを経由し、高速道路を利用できます。仙台駅周辺のコインパーキングをご利用ください。
